VW新型「up!」徹底研究
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VW 「up!」が5年ぶりにマイナーチェンジを敢行したのが2017年初夏。先日、フォルクスワーゲングループジャパン株式会社の皆さまにお会いした際に、「up!」はオーナーの愛着が高く、初代を大切に乗り続けている方がいまだに多い」ということ。そこで、昨年に取材をした新型up!の魅力を掘り起こしてみた。
エクステリアでは全長のみ65mm延長するのみにとどめ、輸入コンパクトでは絶滅危惧種となりつつある5ナンバーを死守したほか、フロントではボンネット形状、ヘッドライトにはLEDのポジションランプを備え、ドアミラーもウインカーを内蔵。リア部分ではリアバンパーやランプ類とディフューザーに変更が加えられている。
新型UP!では、ディフューザーが装着され、よりスタイリッシュになった。
high up!は、アルミホイールは標準で15インチ。取材車両はドイツ「RONAL」製を採用。(製造ロットでメーカー変更の可能性あり。)
フロントブレーキはドイツ「Ate」製のシングルキャリパーを採用。
ディスクローターは、ベンチレーテッド式。初代に比べ制動力の強化が図られた。
リアはドラムブレーキを採用。軽量なボディには、十分である。防錆塗装が施されている。
タイヤサイズは185/55R15。コンチネンタルエココンタクト5を純正として装備。ロードノイズが少なく転がり抵抗に定評があるタイヤである。
ポジションランプは、新たに高輝度LEDを採用した。直視できないほどの明るさである。
カメラの絞りを調整して拡大撮影。特殊なリフレクターと3チップが装備されている。色温度は6500ケルビン位はありそうだ。
ヘッドライトはハロゲンのH4式。筆者の友人は、フィリップスH4 LEDヘッドライトをインストールしているので、明るく白い閃光も比較的簡単な作業で手に入れられる。
ハイビーム点灯。(灯火類全点灯)ポジションランプがLEDを採用したことにより色温度の差が気になるところだ。ターンシグナルはハロゲンのS25 150°を採用。ハロゲンのフォグランプも十分な明るさ。
新型UP!では、ドアミラー内蔵型LEDターンシグナルへと進化した。
テールランプ未点灯。ブラックアウトされているのが特徴である。
テールランプ点灯。立体的なライトサインが印象的。
ターンシグナル点灯。
テールランプ、ブレーキランプ&バックランプ点灯(ブレーキランプは下部がW球となっている。)
ライセンスランプは初代の1個から左右2個となり、照射ムラがなくなった。光源はLEDではなくT10-37ハロゲンである。
給油口はフォルクスワーゲンではおなじみの形状。燃料は当然ながらハイオク仕様である。
アンテナは、固定式であるが、ねじ込み式の為、取り外すことが可能。ラジオの感度は良好だ。
リアスポイラーには、高輝度LEDハイマウントストップランプが装備される。
キーは、フォルクスワーゲンではおなじみの3ポジション式。スマートキーは新型UP!では未採用である。
インテリアの変更点は多く、ダッシュパネルをはじめ、メータ類も刷新された。シートにもアクセントがあしらわれ、フォルクスワーゲンの最小モデルにも関わらず、大人が4人乗っても十分な空間を有している。
リアラゲッジルームはコンパクトカーとしては、十分すぎる空間を有している。
フラットな床面の下にさらに収納スペースが存在する。
リアシートサイドに設けられたレバーで簡単にシートを倒すことが可能。
シートアレンジによって長物も積載することが可能である。
車内灯は、左右独立式で、十分な明るさを持つ。光源はハロゲン式であるが、室内は温かい光の方が良いという方が多いのも事実である。消し忘れても、自動的に消灯する仕組み。
スリムな画面であるが解像度は非常に高く、後方の障害物を感知するセンサーが図形で表示。
コンパクトカーながら、ナイトイルミネーションは美しく、ダッシュパネルの隙間からホワイトLEDの間接照明が灯る。
high up!では、オートエアコンを装備。上部には、スマートフォンを接続してカーナビゲーションや多岐の情報を表示可能。後ほど、詳しく解説します。
アイドリングストップオフ、リアガラスの電熱線、シートヒーターも装備される。
ホルダー裏側には、usb端子が装備されており、スマートフォンに電源を供給する。
センターコンソールにはドリンクホルダーや横滑り防止装置オフスイッチが並ぶ。
ダッシュボード下部にグローブボックスを装備。車検証と説明書が余裕で収まる。
ETCはパナソニック製。カードを裏側にして挿入するタイプ。
シングルクラッチMT 「ASG」は、5速。改良が重ねられ、オートマチックモードでも失速感が緩和されている。レッドの透過照明が灯る。
サイドブレーキは昔ながらのレバー式。
シートの前後調整は、このレバーを引く。
シートのリクライニングは、このレバーを乗車した状態で後方に引けばシートが稼働する。
座面の高さ調整は、このレバーを何度か引くことで上下できる仕組み。
新型up!はメーターが刷新され、大幅に視認性が増した。スピードメーター表記も初代の200km/hから220km/h表示となり、大型のマルチファンクションディスプレイが搭載された。マニエッティマレリ製。
無段階照度センサーにより明るさを調整する。周囲が暗くなると、指針を残して文字盤の照明が暗くなり、ライト点灯をドライバーに知らせる。
暗闇でライトを付けずエンジンを始動すると上記のように指針のみの点灯となる。常時点灯式メーターが増えたことで、ライトのつけ忘れが増えている昨今であるが、これなら問題ない。
ライトオンでは、LEDを光源とした鮮やかな透過照明が美しい。
残量燃料で走行可能距離表示。
エンジンを始動してからの走行距離表示。
積算走行距離計。
平均速度を表示。
デジタルスピードメーター。
エンジンオイル温度表示。(デジタル油温計)
デジタル水温計表示。
エンジンを始動してからの時間表示。
総合燃費表示。
瞬間燃費表示。
ウインカー、ハイビーム(ハッシングは手前、ハイビームは奥へ倒す)、クルーズコントロールスイッチ。
ワイパースイッチとレバー先端に設けられたマルチファンクション切り替えボタン。
ステアリングアジャストレバーも装備される。
フォルクスワーゲンではおなじみのダイアル式ヘッドライトスイッチ。オートライトモードが新たに設けられた。夜間はレッドの透過照明が灯る。
ヘッドライトレベライザーダイアル。
運転席側パワーウインドウスイッチ。残念ながら夜間照明がなく、手探りで操作することになる。次回の改良では透過照明を導入して欲しいところだ。
助手席側のパワーウインドウスイッチ。ワンタッチ式ではなく、押している時間に稼働する。
エアコンディショナーの吹き出し口は、ルーバーが蓋になる仕組み。360°回転可能で使い勝手もよい。
フロントドア&リアドア。高音質スピーカーがセットされる。ボディ同色は、安っぽくなくオシャレ。
運転席ドアのサイドポケットには、ペットボトルが収まる。
リアウインドウは、初代同様上下ではなく、内側のレバーを引き、写真のように開く方式。
剛性感のあるペダル類。後に上陸するMTのGTIではアルミペダルを採用している。
コーナーリング時のしっかりとした剛性感は、さすがで国産のコンパクトカーとは比較にならない。やや硬めの足回りもコーナーでは、本領発揮。山坂道の上りでは、ハイパワー車には適わないが、下りでは、スポーツカーもかもれる実力を持つ。MINIほどではないが、アレに近いゴーカート感覚が味わえる。
高速道路に入ると、がっしりとした安定感と想像以上の静粛性に感心した。15インチタイヤはエアボリュームもたっぷりで、路面の凹凸を拾っても姿勢が乱れず快適な乗り心地だ。レーンチェンジの際には、ステアリングはかなりシャープな印象で、このサイズの国産車のダルなものとは対極な印象。直進安定性も素晴らしい。追い越し加速も特別速いわけではないが、気が付けば、スルスルと速度が上昇している。
Aセグメントの最も小さな普通乗用車のカテゴリーであるup!。ベーシック車とはいえ、手抜きなど一切ないドイツ車思想を味わえる。国産同クラスのユーザーにぜひ乗って頂ければ、いままで味わったことのないしっかり感を体験できるはず。
■初代フォルクスワーゲン「up!」(アップ)のすべて■ 徹底特集 “永久保存版”
初代「up!」の大特集はこちらから http://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2013-01-30
フォルクスワーゲングループジャパン株式会社http://www.volkswagen.co.jp/