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VWゴルフ「R32」試乗記

フォルクスワーゲンゴルフⅤ「R32」試乗記

もう乗れない?大排気量エンジンの魅力。

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大きく口を開けたエアーインテークは熱発生量の多い3.2Lエンジンに考慮したもの。

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エアロスカートはR32専用。極太のエキゾーストエンドは一際目を引く。

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ローダウン&18インチホイールが単なるCセグメントハッチでないことを主張している。

■エクステリア■
ディテールを観察すると、お金掛かってるなあ~と一言。18インチの20本スポークのホイールに225/40R18のミシュランパイロットSXが組み合わされ、前後左右には専用の空力パーツが備わる。また、フロントの盾型グリルは、当時の「ジェッタ」や「パサート」などが、鏡面仕上げを採用しているのに対し、「R32」は質感の高い艶消し仕上げで差別化。後ほど触れるが、φ80はありそうなツインエキゾーストエンドは、中央から独立2本出し。やはり、コイツ、秘めた何かを漂わせています。

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本革スポーツシートは、仕立て、ホールド性は申し分ない。

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ドイツVDO社製メーターは専用設計。300km/hまで刻まれる。

■インテリア■
本革シートのサポート性は十二分だが、レカロ社と共同開発したオプションのフルバケットシート&4点式シートベルトを純正採用して欲しかったものだ。
しかし、“別モノ”を主張するパーツを探し出すのはカンタン。本革巻きのD型ステアリングには「R」のエンブレムをさりげなく配し、ドアの内張りやダッシュボード、灰皿までもアルミ製トリムが奢られている。 
メーターマニアの筆者だが、メーターはとても凝った造りになっています。数十個のLEDを使用した透過光式照明は、当時フォルクスワーゲンでは定番となったコバルトブルーの文字にレッドの指針をあえて採用せず、クリアホワイトの文字にイメージカラーのブルーの指針に変更。スケールを三段階に分け、視認性に優れた指針可変式を採用。DSGのレスポンスに追従するようにタコメーターの指針は、ステッピングモーターのような切れのあるアクションが見物。

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直噴FSIエンジンは250psを発揮する。3.2Lの押し出し感は独自。

フォルクスワーゲンのスポーツブランド「R」。タウンサイジングの先駆者である同社だけあり、今後大排気量エンジンが日本国内に導入される事は無いだろう。今回は、以前インポーターから長期借用した最後の大排気量「R」である「ゴルフⅤ」をベースとした「R32」をインプレ。「R32」が登場したのは、「ゴルフⅣ」」からだが、6MTのみの設定。「ゴルフⅤ」ベースの「R32」から、右ハンドル、6速DSGが装備。

■インプレッション■
自宅のガレージでエンジンを始動させると、「このクルマ、メーカー純正かよ?」というほど野太いサウンドが響く。アイドリング状態では、初代「R32」よりドスが効いている印象だ。節度感のある「DSG」のシフトレバーをとりあえず「D」レンジにセレクトし、自宅周辺を流してみた。一速からスタートをする「D」レンジの発進マナーは、少々馴れを要する。“普通”のアクセル開度でスタートをしても、ドカン、ズトーン!思わずクビが後方に仰け反るほど。次の信号で停車し、再度滑らかなスタートにチャレンジ。現在のクルマだからアクセルは単なる電子制御の加減速リモコンにしか過ぎないが、開度を調整すると、駆動に“液体”を介しているトルクコンバーター式のオートマチックと区別が出来ないほど切れ目のない加速で、いつの間にか6速に入っている。
タウンスピードで気になる点といえば、ダンピングの強さ。初代「R32」よりしなやかになったとはいえ、やはり女性を乗せている場合、最初にこのクルマの説明をカンタンに済ませておいた方が賢明。

高速道路に乗り、2速にシフトして、アクセルを踏みつけると、「ボーッ」という低音から「シャーン」さらには「シュワーン」という抜けの良い澄んだサウンドに変わり、6500prmに引かれたレッドゾーンを飛び越え7000rpmまで一気に吹け上ががる。すでに、この時点で非合法な速度に達していたため、「D」レンジで合法に則った走行をすることに。すると、先程の雄叫びは嘘のように息を潜め、6速、2200rpmで悠然と巡航。この地点が上り10%勾配などということなど微塵も感じさせないまま、アクセルに足を乗せているだけのお気楽運転もまた楽しい。

しかし、ステアリングのギアレシオは相当クイック。蛇を入れた瞬間、即座に反応し自らが判断した蛇角以上にクルマが向きを変えようとする。直線では、やや気を使う要因の一つ。また、扁平率40%のタイヤは、エアーボリュームなど期待できないため、大型トラックに刻まれた轍には、簡単にステアリングを持っていかれる。

日本の高速道路では、法定速度を保つことの方が難しいといえるこのクルマ。何しろ流しているつもりでも気が付けばとんでもない速度に達していることもしばしば。後方から忍び寄る公安職の方が乗るクルマと、無人で高額な証明写真を撮ってくれるカメラにはくれぐれも要注意です。

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