SSブログ

ミニ「JCW」試乗記

MINI John Cooper Works 試乗記

今どき珍しいほどアツいホットハッチ。

R0010221.jpg

小さいボディながらも佇むだけでオーラーを感じる。

R0010225.jpg

ルーフウイングに大口径デュアルエキゾーストエンドが迫力満点。

R0010223.jpg

全長は3745mmと短いが直進安定性も非常に高い。

MINIシリーズで最も高性能な「John Cooper Works 」をインポーターの広報車両を借用し試乗した。MINIといえば、次々とバリエーションを増やし、今では、おなじみの格好をしたハッチバック2ドアモデル以外に、ライフスタイルに合わせた車両が選択できるほど。売り上げは相変わらず好調で、2012年では、1万6000台というから、驚き。

今回はそんなMINIの中でも走りに徹した「John Cooper Works 」を市街地、ハイウェイを中心にインプレッションを敢行。
「John Cooper Works」はこれまでMTのみの設定だったが、2012年のマイナーチェンジで、オートマチックも選択できるようになった。今回の試乗モデルは、6速オートマチック。トルクコンバーター式にステップトロニックを採用。

R0010226.jpg

エンジンを始動させると、小さなボディからは想像できないほど、威勢のいいエキゾーストが周囲に響き、アイドルアップが落ち着いても、野太いサウンドが、只者でない事をドライバーに訴えかけてくる。エキゾーストエンドは、センターから2本装着されていますが、大口径のそれは、まるでワンオフでハンドメイド製作をしたような趣。

最もホットな「John Cooper Works 」は2012年のマイナーチェンジでエンジンにも手が入り、1.6リッター直噴ターボエンジンは、直噴となりました。さらにBMWのお家芸である可変バルブリフト機構「バルブトロニック」も新採用。エンジン出力には変化がないが、省燃費性が向上した。

相変わらず個性的なインテリアに身を置き、さらに大口径になったセンターメーターをしばらく観察したあと、オートマチックという事で、まずは、Dレンジにセレクトし市街地に滑り出した。
走り出して100mで感じたこと。「脚が硬い」。それこそ、マンホールの蓋を踏んだだけでも、容赦なくダンピングを伝え、「ボーボーッ」という野太い排気音もキャビンに常に響き、このクルマの性格を理解していないと、それなりの我慢を強いられる事も。(あくまで平均速度20キロの市街地での話し。)

ハイウェイに乗り、Dレンジから、小径のステアリングに装備されたパドルシフトに手を掛けました。BMWの場合、フロアに設けられたMTモードは、フォルクスワーゲンの「DSG」や他の輸入車のシフトパターンと正反対で、手前に引けばシフトアップ、奥に倒すとシフトダウン。過去に何度も間違えたことがあったため、パドルシフトは嬉しい限りだ。

R0010230.jpg

シフトダウンをして、正面のレブカウンターの指針がエンジンの美味しい領域を指したところで、アクセルを踏みつけると、ツインスクロールターボは、一気にターボパンチを炸裂。低回転では、野太いサウンドだったものが、「フォーン」と澄んだサウンドに変わり、センターメーターの速度指針は、目で追うのが大変なほどの勢いで、上昇していく。途中、水平対向エンジンを搭載した“数字が車名”の国産スポーツカーが追撃してきたが、最高出力211PS/6000rpm、オーバーブースト時には、最大トルク280Nmを発生する「John Cooper Works 」がフルスロットルをくれると、その追撃車はミラーからみるみる小さくなっていった。それもそのはず、この「John Cooper Works 」のパワーウェイトレシオは5.83㎏/PSとその辺のスポーツカーではまるで歯が立たない。

時速100キロでの巡航でも相変わらず道路の継ぎ目では、脚の硬さが気になるが、ステアリングはどっしりと安定。ゴーカートのようなクイックなギアレシオをもちますが、剛性の高さで、直進安定性もバツグン。時間の関係、短時間だけワインディングに分け入ったが、公道の速度レベルでは限界はみえてこない。タイトコーナーに飛び込んでも、ロールは、微塵も感じないまま、クルッと周回していく。姿勢変化が少なくコントロールもとてもしやすい。車両の挙動を安定させる電子デバイス「DSC」の制御も非常に優秀ですが、あえてオフにすると、タックインを使い、リアを流す事も楽しい。さらに速度を上げ、タイトコーナーに進入すると、クルマは横を向き、カウンターステアのまま、コーナーをクリアするようなことも、このクルマの楽しいところだ。

R0010220.jpg

このサイズのコンパクトカーとしては、贅沢すぎるブレーキは、巷の色を赤く塗装しただけの片圧しフローティング式ではなく、対向4ピストンがおごられる。1230㎏の車体重量には十分過ぎるキャパシティで、ワインディングでスポーツカーを追い回した程度では、終始強力な制動力を発揮する。

R0010227.jpg

過激は走りは、完全に大人のおもちゃ。ファミリーユーズでは、少々辛いところがある。しかし、久しぶりに血の気をアツくさせてくれたクルマでもあった。国産自動車メーカーにも、コンパクトでこのようなアツイ車を販売して欲しいと改めて思った。

emblem_mini.jpg MINI http://www.mini.jp/


nice!(1) 
共通テーマ:自動車

nice! 1