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VW「ゴルフGTI」サーキット試乗

新型「ゴルフ GTI」販売開始
GTI のダイナミックな走りにさらに磨きをかけながら、”BLUEMOTION TECHNOLOGY”採用により15.9km/ℓ の低燃費を達成、環境性能と動力性能を高次元で両立。

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新型「ゴルフGTI」が9月25日に発表されたが、実は、一ヶ月前にジャーナリストを対象に富士スピードウェイにて、サーキット走行試乗会が行われた。実際のコースを使用した全開走行のほか、パイロンを並べた特設コースも設けられ、新型「ゴルフGTI」の高い走行性能を思い存分体験できた。

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ピットに置かれた存在感もさすが新型「ゴルフGTI」。その奥には、まだ未公開の「ザ・ビートルターボ」の姿も。サーキット走行会ということで、ヘルメットも着用。

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ピットロードに並べられた新型「ゴルフGTI」。5台用意された試乗車で富士スピードウェイのコースを全開で走れるとは、実に贅沢な試乗会である。

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ピットロードを出て、いきなり26Rのタイトコーナーが表れたが、軽量化されたボディ、更に抑えられた車高、そして専用サスペンションが戦闘モードでない走りでは、あまりにさらりとクリア。そして、「ゴルフR」を髣髴とさせる大迫力のエキゾーストと共に、コーナーを猛然と立ち上がる様は、「ゴルフGTI」の歴史にも新たな一ページを刻み出したと感銘を受けた。筆者もその昔レース活動をしていたが、数ラップを重ねるうちに、ラップタイプを短縮した走りへと変え、いつの間にか、戦闘モードと化していたが、そのあたりのスポーツカーなどまるで歯が立たないタイムで、周回をこなす。タイトベントでアクセルを閉じ、タックインに持ち込むと、電子デバイス満載とはいえ、結構派手にテールが流れ出すが、コツさえ、覚えてしまえば、コントロールは容易。しかし、ここはサーキット。一般公道では、容易には、限界は出てこないだろう。

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コーナー立ち上がり、フルスロットル時のエキゾーストの迫力は、歴代「ゴルフGTI」では最も迫力のあるもの。シフトチェンジの度に、「バフッ!ボッ!!」といったサウンドがトライバーの血を熱くさせてくれる。前輪駆動であるが、路面に効率よくパワーを伝える「XDS+」の効果は絶大で、猛然と加速する様は、強烈に速い。

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フルブレーキで第一コーナーに。ハードな周回を行っても新設計ブレーキは根を上げる事は無く、サーキット全開走行にも対応できる設計となっている。

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サーキット試乗会なので、車両の点検も欠かせない。

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新設計のレッドキャリパーはフローティングキャリパーであるが、その制動力の高さは、サーキット走行でも、十分耐えられるもの。筆者は、少々、オイタをし過ぎたため、ご覧のとおり、煙を上げてしまったが、制動そのものには影響はない。

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数ラップをすると、新品タイヤもご覧のとおり。

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10ラップ以上走るとさすがに疲れます・・・。歳は隠せませんね。

新型「ゴルフGTI」のディテールを写真で解説。

GTIのダイナミックな走りを支えるパワートレーンは、先代比9馬力アップの220馬力を発生する第3世代の2リッターTSIエンジン(EA888型)。最大トルクは3.5リッターの自然吸気エンジンに匹敵する
350Nmを1,500rpmという低回転から発生。GTI専用にチューニングされたシャシーには、フォルクスワーゲン初採用となるロックトゥロック2.1回転と極めてクイックなステアリングを実現するプログレッシブステアリングを採用。電子制御式ディファレンシャルロック”XDS”の進化バージョンなどの最新テクノロジーと共にGTIに更なる敏捷性を与える。 エクステリアでは、伝統のハニカムグリルにヘッドライトまで繋がる赤いラインや、赤いブレーキキャリパー、専用のLEDフォグランプ等を備え、インテリアにはタータンチェック柄のトップスポーツシートや、ドアシルプレート/ドアトリムに内蔵された赤い間接照明など、GTI専用アイテムを数多く取り入れている。

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新型「ゴルフGTI」はレッドのラインをライトユニット内部まで延長。伝統のエンブレムは踏襲されている。

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全長 4,275mm x 全幅 1,800mm x 全高 1,450mm。伝統を受け継ぐ“GTI”専用エクステリア
新型ゴルフGTI には、GTI の伝統を受け継ぐ数々の専用装備が施されている。赤く塗装されたブレーキキャリパーやラジエーターグリルのハニカムデザイン、あるいは赤いラインをヘッドライトにまで配することで“GTI”であることを強く主張。一方でバンパー両端に配された専用デザインのLEDフォグランプが、伝統を受け継ぎつつも最新のテクノロジーとの融合を果たしている象徴となっている。タイヤは標準で225/45R17 サイズを搭載し、オプションのDCCパッケージを選択することにより、225/40R18 サイズへとインチアップが可能。

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歴代の「ゴルフ GTI」は、フォルクスワーゲンのベストセラーモデル「ゴルフ」のボディに、高性能エンジンと、そのエンジンに相応しい強化されたサスペンションやブレーキなどを採用して高い走行性能が与えられてきた。その走行性能と共に、乗員全員が快適に移動できるという「ゴルフ」自体が備える高い実用性も併せ持つ「GTI」は、ゴルフファンのみならず、多くの自動車エンスージアストからひとつのブランドとして認知され、デビュー以来37年間で世界で190万台が販売された。日本では1985年、2世代目のGTIから正規輸入を開始し、現在までに約50,000台が販売。

37年目のフルモデルチェンジに当たり、新型ゴルフ GTIは、フォルクスワーゲンの新しいモジュラー
システム「MQB」の採用により、従来上級モデルにしか装備しえなかった安全装備や機能装備を多く
新規採用しながら、10kgの軽量化を果たした。またエンジンにも改良が加えられ、最大トルクの
25 % アップなど大幅な性能向上を果たしただけでなく、GTI としてははじめて、BLUEMOTIONTECHNOLOGYを採用し、これらによりJC08モード燃費15.9km/ℓと、先代の13.0km/ℓ(10・15モード)から大幅な向上を果たした。新型ゴルフに採用されたFront Assist PlusやACC、Lane Assist等数々の安全装備はGTIにも標準で搭載されるほか、新型ゴルフで実現された静粛性、快適性も併せ持ち、日常ユースからスポーツ走行まで、幅広くこなすパフォーマンスカーに仕上がった。

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フォグランプユニットは整流板の奥に設置される。光源はLEDである。

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専用のブラックポリッシュホイールは新型「ゴルフGTI」専用装備。225/45R17タイヤ+7.5Jx17アルミホイールが標準。取材車両は18インチを装備していた。

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バイキセノンランプは標準装備。

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新型「ゴルフGTI」では、初めてサイドフェンダーにも「GTI」のエンブレムが左右に配された。

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デュアルエキゾーストエンドからは、アイドリング時から迫力あるサウンドを奏でる。

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テールランプ&ブレーキランプもLEDを採用している。

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注目すべき点は、歴代ゴルフでは初となるLEDターンシグナルを装備する。横一線に並べられたキレのある点灯はLEDならでは。

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ヘッド部を新たに開発したエンジンとBLUEMOTION TECHNOLOGY 初採用


新型ゴルフGTI に搭載されるのは、MQB コンセプトで開発された後傾12°、後方排気を特徴とする第3世代の直噴ターボエンジン2.0L TSI エンジン。ヘッド部を新たに設計し吸排気バルブに可変タイミング機構を組み込むと共に、排気側ではリフト量も2段階に変更し、エンジン回転数に応じた最適な制御を行う。また、直噴とポート噴射のデュアルインジェクションを採用した結果、最高出力は先代GTI より9馬力向上の162kW(220PS)、最大トルクは280Nm から350Nmへと大幅に増加し、最大トルクの発生回転数も従来より200rpm低い1,500rpmからとなり、ドイツで行った中間加速テストでは80-120km/h の所要時間が先代の6.0 秒から5.0 秒へと大幅に短縮。また今回GTI として初のBLUEMOTION TECHNOLOGY(Start/Stopシステム、ブレーキエネルギー回生システム)を採用し、トランスミッションには、引き続き燃費向上にも貢献する湿式6 速DSG を搭載することでJC08 モード燃費は15.9km/ℓ と、歴代GTI で一番の低燃費を達成。

新技術プログレッシブステアリング、”XDS”の進化バージョンを採用


GTI 専用にチューニングされたスポーツサスペンションの採用により車高は10mm 低くなった。さらに新型GTI にはプログレッシブステアリングと、より進化した”XDS”が採用されている。

 

プログレッシブステアリング

従来のステアリングシステムが一定のギヤ比で操舵されるのに対し、GTI にフォルクスワーゲンとして初採用するプログレッシブステアリングではステアリングを切り込むにつれて累進的なギヤ比となる。この結果、ニュートラル付近の滑らかな操作性を維持したまま、従来(ロックトゥロック2.75 回転)より少ないステアリング操作(同2.1 回転)でクルマを操ることが出来る。この結果、駐停車時や、タイトなコーナーが続くワインディングロードなどで、きびきびとしたレスポンスが得られる。

電子制御式ディファレンシャルロック”XDS”


先代のGTI で初採用した”XDS”は、ESP と一体となっているEDS(エレクトロニック・ディファレン
シャルロック・システム)の拡張機能。EDS が主に低ミュー路での発進、加速時に空転した駆動輪のブレーキ圧を高めることでトラクションを確保し、走行安定性を高める機能であるのに対しし、”XDS”は中高速域のコーナリング時に作動する。コーナリング時に内側の駆動輪の荷重が不足すると”XDS”が作動し、その車輪のブレーキ圧を高めて空転を防止しトラクションが確保されアンダーステアを軽減。今回進化した”XDS”では、プログラムをより洗練し、ブレーキを伴わないあらゆる運転状況で作動、クルマの敏捷性を高め、余分なステアリング操作を不要にした。

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レザーシートパッケージは、262,500円のオプション。

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スポーティさを演出する数々の専用インテリア


GTI 専用のトップスポーツシートには、初代GTI から受け継いできた赤と白のラインが織り成す
タータンチェックのパターンが採用され、GTI ロゴプレート付専用レザー3本スポークマルチファン
クションステアリングホイール、レザーシフトノブには、メタルのアクセントに加えて赤いステッチが
施されている。さらに、アルミ調ペダルクラスターの採用や、ドアシルプレート/ドアトリムに内蔵
された赤い間接照明により、インテリアでもスポーティさを表現。

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センターのマルチファンクションディスプレイはフルカラー。

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独VDO社製メーターは280キロまで刻まれる。GTIではゴルフⅤでは300km/h表記であったため、少々残念。質感は大幅に向上している。

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GTI ロゴプレート付専用レザー3本スポークマルチファンクションステアリングホイール。

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レバーのシフトレバーの根元には、エンジンスタートストップボタンが配される。

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アルミ調ペダルクラスターはデザインを一新させ、よりスポーティなものに。

■歴代GTIと並べてみた■

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アシスタントの乗る「ゴルフⅤGTI」と新型「ゴルフGTI」。並べるとらしさはしっかり踏襲されている。

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初代「ゴルフGTI」と新型「ゴルフGTI」。37年でここまで進化を遂げた。

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13インチであった初代のホイールも新型では18インチに。横から見るとやはりらしさは踏襲されている事がさらに実感できる。

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初代ではグリーンの間接照明であったメーターも新型ゴルフGTIでは、ホワイトLEDを光源とする透過照明。製造メーカーは変わらず老舗の独VDO社製だ。

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新型「ゴルフGTI」は、まさにハイパフォーマンスカーであった。先代の「ゴルフR」さえ上回る350Nmという大トルクを1,500rpmという低回転から発生するパワーは、とにかく強烈に速いという印象。今度は、じっくり広報車両を借用し、一般道&ハイウェイを走りたいところだ。

※画像、文章の引用を固く禁じます。

関連記事:「ポロブルーGT」サーキット試乗

http://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2013-09-10

「ザ・ビートルターボ」試乗記

http://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2013-10-09

VW-715c0-78719.jpgフォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社http://www.volkswagen.co.jp/



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