VW up! GTI 試乗記
最小のGTIは、最高に痛快だった
初代ゴルフGTI と up! GTIの貴重な2ショット。
高速道路のパーキングエリアに停めてもAセグメントとは思えない迫力が漂う。
重たく大きく、そして高価にゴージャスになるクルマが多い中、この「up! GTI」ときたらサイズは初代ゴルフ GTIと同等で車重はピッタリ1t! 車両価格は219万9000円と、GTIのエンブレムを掲げる割にはかなりリーズナブル! 「ポロ GTI」が実はゴルフ5当時と同等のサイズ、価格だったりすることを考えると、up! GTIはとても嬉しい価格設定。コンパクトホットハッチといえるクルマが減る中、オイシイ重量、サイズ、価格帯をキッチリ抑えたまさに大人のオモチャである。
3気筒の排気音は、実にうまくチューンされ、ゴロゴロといった音色が混じり、GTIの名に恥じないスポーティなサウンドをキャビンに響かせ、トップギアの6速のままでも、迅速に速度を上げていく。
シャシーは車重1tが相当に効いているらしく、とにかくキビキビと鼻先の向きを変えてくれる。最初はオーバーサイズかと思った195/40 R17サイズタイヤも専用スポーツサスペンションと相まりダイレクトな応答を示してくれるから面白い。荒れた路面でも、剛性が高いシャシが受け止め、どっしり安定。日本のメーカーでコンパクトホットハッチをこのように作れないものだろうか?と感じてしまう。それでいてリアのスタビリティは高く、絶対に破綻させないように仕立てられているところはさすが。
ドアのサイドシルにもGTIプレートが貼られる。
フロアマットも上級車種と同じデザインが採用されている。
マニエッティ・マレリ製のメーターは220Km/hまで刻まれる。そのスケールを使いきれる実力を持つ。
革巻きステアリングにはレッドステッチとGTIエンブレムが装備。
カーナビゲーションの設定はなく、スマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、様々な情報を呼びだせる。実際、筆者も最近はカーナビゲーションの買い替えをやめ、スマホをナビゲーション替わりにするようになった。iPhoneのディスプレイの方が市販のポータブルナビゲーションに比べ、解像度は雲泥の差で、GPSの誤差も少ない。
フルオートエアコンが装備され、コンパクトカーを超えた装備軍は、素晴らしい。
コクっと節度感のあるシフトフィールは実に気持ちいい。(最近めっきり使わなくなった表現だ。)
今時珍しい3ペダルがMT車の証。どうせならアルミ調ペダルにしてほしかった。
細部の質感にもチープさは皆無。痛快な走りが手伝い、むしろ心がとても豊かになる。up! GTI。ほしいクルマの一台に加わった。
■新型フォルクスワーゲン「up!」特集
https://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01
■初代フォルクスワーゲン「up!」(アップ)のすべて■ 徹底特集 “永久保存版”
http://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2013-01-30