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VW「ザ・ビートル」特集Vol,2

フォルクスワーゲン「ザ・ビートル」特集Vol,2

可愛いだけではない。走りも大注目!Vol,2では、走行インプレッションをお届け。

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フォルクスワーゲン「ザ・ビートル」特集Vol,1では、車両細部などの写真解説を行ったが、Vol,2では、一週間に及ぶ長期テストを敢行。合計1000キロにも及ぶ走行を行い、待ち乗り、ハイウェイ、ワインディングと多岐に渡るインプレッションをお届けする。

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低く抑えられたルーフが、これまでの「ニュービートル」に比べスポーティ。エクステリアデザインは紛れもなく「ビートル」であるが、新型となる「ザ・ビートル」は、キュートさに精悍さをプラス。

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全幅は1815mmと先代「ニュービートル」に比べ80mmも幅広になった。しかし実際にコクピットに収まれば、1800mmを超えるサイズとは思えないほど取り回しが良好だ。

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全長は4270mm、ホイールベース2535mmと先代の「ニュービートル」と比較して(全長4130mm/ホイールベース2515mm)それぞれ、延長されている。17インチホイールが、自然とマッチしている。今後、さらに大口径ホイールが社外品市場でも続々と販売される予定だ。

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円形であったテールレンズはフェンダーとの調和が取れたものに変更。発光時にはU字状となり、スポーティな印象を与える。

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フォルクスワーゲンエンブレム以外は、車名を示すものはない。エンブレムはリアのラゲッジルームオープナーとなっている。

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大きく張り出したフェンダーは「ビートル」そのもの。歴代のディテールを踏襲しながらも、ワイド&ローなボディは、曲面とシャープなラインと相まり、これまでになかったスポーティな走りを連想させるもの。

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このリアフェンダーのラインは「ビートル」そのものです。最新の「ビートル」が最良の「ビートル」といえますね。このエクステリアデザインは、どこに置いても絵になります。

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17インチ7Jアルミホイールは「Design Leather Package」専用。純正オプションでは8J-18アルミホイールに235/45R18まで選べるが、20インチまで収めるスペースがある。ブレーキは、「Polo」や「Golf」より自然なフィーリングが魅力で、踏力に比例して自然に制動が立ち上がるもの。

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サスペンションはフロント「マクファーソンストラット」、リア「トーションビーム付トレーリングアーム」。イエローに塗られたショックアブソーバーはドイツ「ザックス」製を採用。後に記すが、この足回りが極めて高いハンドリング性能に貢献している。

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「ザ・ビートル」にしかない、個性的なインテリア。ボディカラーとインストゥルメントパネルはボディ同色を採用している。このセンスは日本車には真似のできない領域だ。

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「Design Leather Package」が純正採用とするスポーツシートはホールド性にも優れたもの。シートヒーターも装備する。

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個性的な3連メーターも「ザ・ビートル」専用品。詳しくは特集Vol,1で表示の詳細まで解説しているので、是非ともご覧頂きたい。

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各種スイッチも専用設計が多い「ザ・ビートル」。ボディ同色のパネルが各部に装備されている。

■タウンインプレッション■

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CBZ型直列4気筒SOHCインタークーラーターボエンジンは、1197ccのダウンサイジングユニット。この心臓は、同社「Polo」や「Golf」にも詰まれるが、「ザ・ビートル」の味付けは少々異なる。キーを捻ると「ザ・ビートル」だけのサウンドが聴こえてくるのだ。決して静粛性を損なっているわけではないが、乾いた軽快なサウンドが心地よい。

トランスミッションは、乾式の7速「DSG」を採用。街中では「D」レンジがメインであるが、シグナルスタートでアクセルに力を込めても、「Polo」や「Golf」のような小排気量を忘れるトルクを生み出さない。一瞬のもたつきを感じさせる事もしばしば。しかし、これも「ザ・ビートル」の演出の一つ。2000rpmを超えたあたりから、一気にターボパンチが弾け、「シューン」と軽快に吹け上がる。このドッカンターボが何とも遊び心があり、エクステリアとマッチした味付けといえる。

ダンピングはやや固めであるが、同社のお家芸である極めて高い車体剛性で、バシッと一発でショックを吸収する。そのため、街乗りでも決して、不快を与えるような乗り心地ではない。また、老若男女問わずこのエクステリアデザインは注目の的。信号で停まれば歩行者からの視線も痛いほど感じる。無論、周囲のクルマ達もだ。

■ワインディングでもスポーツカー顔負けの速さを発揮■

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そもそも「ビートル」でワインディングを攻めるなどキャラクターが違うと思われるかもしれないが、新型の「ザ・ビートル」は、実はつづら折れが連続するようなワインディングで意外な一面を見せてくれた。関東近郊の山深いワインディングで心行くまでその性能を試してみた。

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CBZ型直列4気筒SOHCインタークーラーターボエンジンは先ほどドッカンターボであることを記したが、ステアリングをフルロックまで切り込むようなタイトベントでは、コーナー脱出の際、ターボラグを計算に入れておく必要がある。このようなクルマのエンジン特性を理解しながら走らせる楽しみを備えている点も面白い。

7速「DSG」はステアリングにパドルシフトを備えている。これがワインディングでは武器となり、ステアリング操作に集中しながら指先だけで電光石火のシフトが行える。時として1速までシフトを落とすようなコースであったが、「かぶとむし」は、ワイドな鼻先をヒラリヒラリと向きを変え、気が付けばかなり本気の走りになっている。しかし、ロー&ワイドなボディは、意外なほどロールが少なく、路面に張り付いたままコーナーをクリア。さらに、急な旋回中にスロットルを戻し、タックインを誘発しても、これが実に面白い。クセを掴めば、それこそ「カブトムシ」はテールを滑らせながら、スポーツカーを追い回し、道を譲らせる事も可能。また、限界領域での車体のコントロールが容易で、クイックなレシオを持つステアリングと、奥深い足回りが、「Golf」以上に走る楽しみを教えてくれる。街の中でオシャレに乗るのも楽しいが、「ザ・ビートル」は意外な一面を持ち合わせている。

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相当攻め込んで、街へと下っても、ブレーキがへこたれる事は皆無。

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フォルクスワーゲンの顔とも言える「ビートル」。それは21世紀になっても変わる事はない。先代の「ニュービートル」は1998年~2010年の間に世界で100万台以上生産され、21世紀に生まれたビートルでは、2世代目となる「ザ・ビートル」が登場した。今回は、ダウンサイジングを行い、省燃費性を著しく向上させたが、走る楽しみが希薄になる中、先代以上に中身の濃いクルマに仕上がっている。「優れたクルマとは何か?」という事を改めて教えてくれた一台であった。

関連記事:

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http://s-togawa.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19

VW-715c0-78719.jpgフォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 http://www.volkswagen.co.jp/

 



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