アウディ TT 日本導入20周年
このイベントには、デザイン評論家・武蔵野美術大学名誉教授でありバウハウス100周年委員会委員を務める柏木 博氏と、SWdesign代表で元Audi Designデザイナーの和田 智氏をゲストに迎え、100周年を迎えたドイツの造形芸術学校 bauhaus(バウハウス)と日本導入20周年を迎えたAudi TTをテーマに、デザインについてトークセッションを敢行。
最初に柏木氏が登壇し、今から100年前、1919年にドイツのワイマールに創立されたバウハウスの歴史を振り返った。そしてアウディのデザインについて「独特のグリッドシステムの上に、それをつなぐコンパスのライン、曲線をつくっている。アウディの伝統の中でさまざまなバリエーションが組まれて、伝統を引き継ぎながら面白いデザインをつくろうとしている。その根底にはドイツというものがあり、バウハウスがあるということ」と解説。
続いて和田氏が登壇。Audi Designに11年間在籍し、数々のコンセプトカーや市販車のデザインを担当してきた和田氏がアウディに入社したのは1998年。奇しくもAudi TTのデビュー年であった。「アウディデザインのスタジオに初めて入り、一番最初に見たクルマがAudi TTのRoadsterでした。その向こうには、もう1つのバウハウスデザインの作品ともいえるAudi A2があり、さらにその奥には、数カ月後に発表を控えたAudi TT Coupéのプロトタイプが置かれていました。アウディは私を強烈なインパクトとともに出迎えてくれた。それは次なる時代に向けての挑戦状を投げつけられた感覚だったのです」と当時を振り返って頂いた。
そして二人のトークセッションで、和田氏は初代Audi TTから現行の3代目に受け継がれるフューエルリッドのデザインを例えに、「こういった一つのディテール中にも継承性を持たせ、過去のデザインに敬意をもって接する。デザインとは過去の作品に対する敬意であり、継承である。アウディはそれを実践している会社です」と述べた。
初代Audi TTのコンセプトカーを忠実に再現した、円をモチーフに直線と組み合わせたシンプルかつ先進的なスタイリングは、当時の自動車デザインに大きな衝撃を与えた。それはbauhausのデザイン思想を体現するものとして、今なお語り継がれている。
アウディ ジャパン株式会社https://www.audi.co.jp/