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プジョークーペ407試乗記(短記)カッコイイのに売れないクーペ

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昨今のプジョーラインナップは、ズバリ前衛的。これでもか!という“ツリ目顔”ばかり。質感もドイツ車を凌ぐクオリティ。15年ほど前では“マニア専用車”だったものが、いまでは、“普通”に家族で乗れるクルマになりました。

そんなプジョーですが、最上級モデルには、エレガントなエクステリアデザインを持つオトナのクーペが存在します。その名は、「クーペー407」。しかし、デビューから4年経過しているにも関わらず、その姿をほとんど見かけたことがないのが現状。最近、同社「306」に乗る知人が、車検でディーラーに訪れた際に、このクルマを見かけ、初めてその存在を知った・・・と聞いて、「よし、自分が乗ってみよう」と思い、お盆直前に記事をアップする事にします。

2006年6月に日本国内に上陸した「クーペ407」は、先代の「406クーペ」を踏襲するラグジュアリークーペ。ベースとなるクルマは、「407」です。先代では、「ミニ・フェラーリ」などと一部で囁かれ、「ピニンファリーナ」が、デザインと生産を担当し、どこから眺めても美しいクルマでした。今回は、「プジョー」社内のデザインに変更。他のラインナップ同様の顔つきに統一され、スペシャリティ感が薄くなった感もいがめません。

■猫系の猛獣+サメ系をプラスしたデザインは威圧感満点!堂々たるサイズも魅力。■

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↑全長4815mm×全幅1870mm×全高1405mm、ホイールベース:2725mmと写真で見るよりはるかにデカイ!

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↑この角度が一番美しい。先代の繊細な美しさに比べ、アメ車系にも似たマッシブな雰囲気も漂っています。ボディアウターパネルは「407」シリーズとは別物で、全て専用設計。オカネは掛かっています。

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↑飲み込まれそうな巨大なエアインテークにサメを思わす3本のエラ。ギラリと睨みを効かせるバイキセノンランプ。全幅1870mmという大型セダン同等のワイドなボディは、相当迫力モノ。

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↑メーターは「クーペ407」の専用設計でクロノグラフを連想させる。イルミネーションは、美しいアンバーの透過光式で、雰囲気も満点。メーカーは「SAGEM」社製。左から水温計、6500prmからレッドゾーンのタコメーター、中央上部には、燃料計、260km/h表記のスピードメーター、一番右には、油温計を装備。メッキリングが視覚的にもGOOD!

■オトナの為のGTというカテゴリーが相応しい■

エンジンは3リッターV6。最高出力210ps、最大トルク29.5kg-mというパワーは、昨今の時代からしたら、誰もがアンダーパワーと思うことでしょう。このエンジンは、407シリーズやシトロエンC6と同等。このエンジンに、アイシン製6AT(マニアルモード付き)が組み合わされます。エンジンは、スムースネス。車重が1660kgとヘビーな為、アルファV6のような盛り上がり感や躍動感を期待する事は出来ませんが、パワーが自然と湧き上がるタイプのモノなので、ストレスはなく、気が付けば上質にハイスピードに達します。特に高速道路の直進安定性は特筆すべきもの。大陸的な距離をどこまでも走っていきたくなるような安楽感は、「クーペ407」の大きな魅力の一つです。

先代の「406クーペ」では、極端に操舵感の希薄なステアリングフィールと、猫足と呼ばれるプジョー独自の足回りの挙動をあまり感じることが出来ず、幻滅させられましたが、「クーペ407」では、クイックなギアレシオを持つステアリングと街中では、ソフトに設定されるとはいえ、少々硬いと感じるほど締め上げられた、電子制御ダンパーが、カッコだけのクーペではないことを教えてくれます。

自動車そのもののエクステリアデザインにクーペというカテゴリーが減少する中、堂々たるオトナのクーペが健在なのは、嬉しいことですね。

高速道路では、やる気満々の「BMW」などにヒップをつつかれた事もしばしばありましたが、そこをさらりと交わし、優雅に流す・・・。そんな走り方がピッタリの「クーペ407」でした。

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emblem_peugeot.jpg プジョー公式ホームページ:http://www.peugeot.co.jp/


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