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アウディR8 5.2 FSI試乗記 まさに21世紀のスーパーカー!

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今のご時世、自動車そのものに夢を追い求める人が減少したのは、事実。特に20代のワカモノなど、オートマしか運転したことがない・・・なんて平気で口にする。“男は黙ってマニアル車”時代のワタクシには、到底考えられない・・・。エコカーだの、ミニバンだのクルマの興味はそっちばかり。そんなこの時代に、究極の走りとスタイリング、そして夢を届けてくれたのが、「アウディR8」。余談ですが、ワタシク、免許を取って初めて乗ったクルマが「アウディ90クアトロ」。もち5MT!他界した父がバブリーだった頃、ポンと即金で買ってくれた・・・。今考えれば凄い時代でした。プチ自慢はこの辺にして、今回試乗したのは、この「アウディR8 5.2FSIクアトロ」。お値段は2236.0万円。(オプション装着)アウディ初の2シーターミッドシップスポーツカーとして、4.2リッターV8 FSIを導入。その後、今回の5.2リッターV10モデルを投入しました。(R8は、元々V10エンジンを搭載する為に設計。)

アウディ「 R8」は、ルマン24時間耐久レースで連覇を守り続けている「R8レーシングマシーン」に由来しており、その設計には、レーシングマシーンのDNAを受け継ぐ、アウディ最高峰の量産型スポーツカー、いや、スーパーカーなのです。アウディのお家芸、「アルミのスペースフレーム」に電子制御の四輪駆動「クアトロ」、そして、効率、スペース共にスポーツカーには、最適なV10エンジンを搭載し、1,690kgという軽量化に成功。アウディの技術力をそのまま具現化したようなクルマです。

■速さは真似出来ても、スタイリングは国産車ではありえないスペシャリティ感■

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例えば、日産「GT-R」。確かに、動力性能は世界一級です。ワタクシも乗って、こんなに速くていいの?とその、技術力の高さに衝撃を受けました。しかし、そのスタイリングは、老若男女すべてを振り向かせるほどのスペシャリティ=スーパーカーのスタイリングは残念ながら持ち合わせていません。知人が同車を所有していますが、振り向かれたのは、購入後3ヶ月までとの事。特にワカモノのクルマ離れが深刻な昨今、「おおっ、R35だぜ!」なんて言ってくれないのが悲しい・・・。

■ぐるり360度どこから見ても、スーパーカーそのもの。■

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↑全幅は1930mm、全高1252mmとワイド&ロー。何者にも似ていないアウディ初のスーパーカーフェイス。先行車のミラーに写る姿は、迫力なんてものを通り越している。

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↑4.2リッターモデルとの大きな違いは、マフラーカッター。あちらは左右それぞれ2本出しに対して、5.2リッターは、楕円の大口径タイプで左右一本出しとなる。灯火類はすべてLEDを採用している。

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↑全長4435mm、ホイールベース=2650mm、重量配分は44:56。試乗車には、「カーボンデコラティブパネル」お値段32.0万円が、装備され、赤とのコーディネイトが美しい。

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↑「カーボンデコラティブパネル」にアウディのお家芸を象徴するアルミ素材の給油キャップがレーシー。

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↑ポジションライトに多連LEDを採用した先駆者とも言える「R8」。試乗車は、ヘッドライトそのものにもHIDではなく、LEDを採用。明るさ、照射範囲共にHIDと遜色はなかった。

■インテリアはハイテク&レーシー■

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↑ファインナッパレザーの本革スポーツシート、専用のインストゥルメントクラスターが与えられ、4.2リッターモデルと差別化を図っている。ステアリング位置は左のみ。乗員は2シーターだが、後方に約90リッターの空間が存在し、結構モノが積めます。

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↑メーター類は光源にLEDを採用した常時点灯透過光式。指針もホワイトに統一。スーパーカーらしい演出は細部に及び6連式。左から、油温計、8500rpmから波線、9000rpm!!からレッドゾーンのレブカウンター、中央上部には、水温計、燃料計。右側には、350km/h!!までの速度と電圧計の各メーターを備える。

■「GTカー」 時々 「スーパーカー」■

親戚にランボルギーニ「ガヤルド」を持つ「R8 5.2FSI」。いくら、2ペタルトランスミッション「Rトロニック」とはいえ、この浮世離れしたエクステリアデザインに圧倒され、緊張は隠せません。着座位置の極めて低いファインナッパレザーの本革シートに腰を下ろすと、やはり、国産車のバーチャル的に速いスポーツカーとは違う、“スーパーカー”なんだと納得。イタリア系のような色気もなく、あくまでクールな印象のコクピットもアウディらしいところです。

最近のクルマは、エンジン始動がボタンだの、カード式キーだの予習も必要ですが、このクルマは、キーを差込む普通のもの。キーを回すと、速度計とレブカウンターの指針が全開になり、白色LEDの照明が点灯。このあたりの演出は、国産車の影響も見受けられますね。エンジンを始動すると、V10エンジンが威勢良く吠え、重低音のアイドリングが周囲を威圧するほど。やはり、そこはスーパーカー。環境問題は、「アウディ」のことですから、十分に配慮をしながらも、静粛性は二の次。やはり、究極の内燃機関ですから・・・。

この「R8 5.2FSI」を街で乗る事は、相当な覚悟?が必要です。それは、運転に苦戦するのではなく、周囲の視線を痛いほど感じるからです。いまどき、こんな格好のクルマは、異質に写るようで、それこそ、子供から、お年寄りまで、凝視しない方は居ないほどです。

一昔前までは、スーパーカーを街中で転がすのには、それなりの覚悟が必要とされてきましたが、この「R8 5.2FSI」は、むしろ快適。さすがに低い視線と、全幅1930mmという超ワイドボディは、駅前の路地などに進入することはオススメしませんが、幹線道路などでは、その辺のサルーンといっても過言ではありません。、「Rトロニック」シングルクラッチは、トルコン並に滑らかで、カグカグ、ギクシャクといった骨っぽさは皆無。試乗車に装着されていたオプションの電子制御式ダンパー「マグネティックライド」は、低速ではしなやかであり、デートカー(死語)としても、通用するほど。

高速道路に場所を移すと、最高出力525ps/8000rpm、最大トルク54.0kgm/6500rpmという凄まじいパワーを!と思いきや、フツーに走れば、やはり高級サルーンそのもの。100Km/h巡航では背中で静かに奏でるV10サウンドが、心地よく安楽。気難しさなどなく、同社「TT」にでも乗っている感覚なのです。しかし、ル・マン24時間耐久レース優勝マシンの栄えある名を車名に持つこのクルマ。公道なので、合法の範囲で・・・。

一見、マニアルトランスミッションのような形状をした「Rトロニック」のシフトノブを2速に落とし、かなり重めのスロットルを踏み込むと、正体が浮き彫りになった。2500rpmあたりまでは、腹に響く重低音が目立ったサウンドが、機械的な轟音に変わり、親戚の「ランボルギーニ」の姿が一瞬見えたような・・・。レブカウンターは、9000rpmあたりまで軽々と跳ね上がる!そして周囲を走るクルマたちが止まっているのか?と錯覚。一瞬、速度計をみて、“アウドバーン速度”になっていることに気が付き、思いっきりブレーキを踏みつけると、オプション設定される「カーボンセラミックブレーキシステム」+8ピストンキャリパーが、一瞬にして、法定速度に引き戻す。こんなブレーキは、今まで乗ったクルマの中で、初めての経験ともいえるほど衝撃を受けました。最高出力は525ps、最高速度、316km/h、0ー100km/h加速は3.9秒!というスペックは、世界一級のスーパーカーであることには変わりませんが、緻密に計算された重量配分、ミドシップレイアウトのトラクション、そして、アウディのお家芸である「クアトロシステム」が、路面に対して、“無駄な行為”を行わないため、キッチリ速い!というのが、ワタクシの感想でした。

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↑スーパーカーは「やっぱエンジンは後ろでないと!」とでも言っているかのように、5.2リッターV10 FSIエンジンを耐熱ガラス越しに鑑賞できる。国産車では、こんなニクイ演出は無理だろうなあ。

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↑フロント8.5J×19、リア11J×19というV10専用デザイン。フロント8ピストンキャリパー+φ380mmローター。リア4ピストン+φ356mmローター。取材車は、オプション設定の「カーボンセラミックブレーキシステム」。

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「自動車の新たな元年」などと言われるこのご時世に、大きなときめきを与えてくれた「アウディ」に自動車趣味人であることを、改めて誇りに思うと心に決めたワタクシでした。

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アウディ・ジャパン R8サイト http://www.audi.co.jp/jp/brand/ja/models/r8.html


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